「レントの経済学」(?)が偶然にも議論されていた。



http://d.hatena.ne.jp/osakaeco/20061207 より


「市場の均衡化作用の速度と経済成長の動因であるイノベーションインセンティブとはトレードオフの関係」

「他方で、新技術の成果が経済全体で享受できる状況は新技術が同じ市場に行きわたり、なおかつ、正常利潤(ゼロ利潤)の状態が達成された時点です。したがって、技術の導入を所与として考えれば、新技術が普及しなおかつ正常利潤ににまでゆきつくまでの期間が短いほど、経済全体の厚生にとって望ましいことになります。

したがって、新技術導入の頻度がそのインセンティブに左右されるとすれば、市場および技術の模倣の効率化のスピードと新技術の導入の頻度のスピードは反比例します。」


なるほど。この議論が正しいとすれば、


ミクロでは「市場の均衡化作用の速度」が速い、「経済全体の厚生にとって望ましい」効率的な市場が成立している程、マクロでは「経済成長の動因であるイノベーションインセンティブ」が低下し、経済成長が阻害されてしまう、ということになるのだろう。
私の議論では、模倣等(技術のスピルオーバー)を前提としない、「短期」について議論したせいか、知的所有権の保護が経済厚生を増加させる、というモデルだったが、模倣等(技術のスピルオーバー)を前提とし、動学的なモデルを考えれば、知的所有権の保護が経済厚生を低下させ得る、といことになるのかも。


勉強になる。*1

*1:前に、チャールズ・I. ジョーンズ『経済成長理論入門』でこのような議論を読んだ気もしなくもない…「車輪の発明」!?…