■
メモ 知識と生産性について
知識はいったん発見さえされれば、通常は、社会的に承継され、容易に利用できる。
たとえば、三平方の定理をピタゴラスがひとたび発見・証明され社会的に認められたあとのわれわれは、その証明が出来なくとも、それを利用し、三角形の一辺を求めることが出来る。*1
定理の発見・証明とその利用は別のことである。
ピタゴラス以降の人間は、三平方の定理の発見・証明のプロセスを得ずして、その時間を省略して、定理を利用できる。
このことで、時間が大きく節約できる。
定理を証明しようとすれば、時間が失われる。
ここで、極端に時間が希少だとすれば、定理を証明しようとすることと、それを利用することは、トレードオフとなる。
そして、定理の利用によって初めて目的が達成できるとすれば(三角形の一辺がわかることではじめて便益が得られる)、定理を証明することは時間の無駄である。
以上のことから、時間が希少なほど証明することの機会費用が大きくなる、といえる。